前々回の記事で書いた子供の応急手当コースの続きです。
土曜日の午前中、4時間にわたる集中コースでしたが、途中で30分間の休憩がありました。このコースは赤ちゃんや子供を連れての受講は出来ないので、この30分間の間に、赤ちゃんに授乳できるようにと考慮されていました。
ここにコースのリンクを張っておきますから、もし受講されたい方は御参考になさってください。
さて今日は、このコースでの休憩後に習った事を要約して説明します。お分かりにもなるように、ここで習った事は、子供たちのためにだけでなく、大人の場合にも役立ちそうです。
やはり今回習った事の中には、私が今まで正しいと思っていた事とは違うことが推薦されています。
1・切り傷
講師によると、自動車の中にいつも置いてある応急手当ボックス(緊急箱)のようなものを、どの家庭内においても常備してある事が好ましいそうです。
大きな切り傷の場合、応急手当ボックス(緊急箱)に入っている包帯で巻いて、速やかに救急病院へ行くか、救急車を呼びます。
講師の説明では、傷口にガラスの破片とかスクリュードライバー等のような異物が入ってしまっている場合、そのままの状態にしておいて(これは映画のシーンでよく見るのとは違いますよね)、病院で専門家に異物を取り除いてもらうのが好ましいそうです。私達自身が異物を取り除こうとして、かえって悪化させてしまう事があるそうです。
でももし、小さい石のようなものが肌のごく表面側にある場合なら、ピンセットを使って注意深くそっと取り除いても良いそうです。
肌の表面上の小さい切り傷の場合、水道水で蛇口からじかに水をかけて、傷を洗い流しますが、もし大きな傷の場合、これはしてはいけません。大きな傷だと、傷口から水道水と一緒に微生物が傷に入り込んでしまう恐れがあるので、やはり専門家に洗浄してもらいましょう。
小さい切り傷、擦り傷で、水道水で洗浄した後、傷口は何も覆いかぶせないで、そのまま自然乾燥させた方が、早く傷が治るそうです。もしバンドエイドのような物で覆った場合、長時間覆っておかないことが大切です。傷口は酸素に触れさせておいた方が治りがより早くて良いそうです。
講師から教わった、私にとって初耳だった情報は、小さい切り傷、擦り傷にはヨード液やその他の消毒液等を使う必要が無いということです。出ている2~3滴の血液が傷口を綺麗にしてくれるのだそうで、それで充分だと言うことです。
子供たちはよく転ぶので、頭をぶつけてしまう事がよくあります。
頭を打ったりぶつけた場合、その後の子供の様子を観察して何かいつもと違う様だったら(例えば、いつもと違って異常におとなしすぎる、眠そう等)直ぐにお医者さんに連れて行くことが大切です。
3・鼻血
してはいけないこと
・コットンとか紙などで、鼻の穴を覆ってしまう事。
・頭を後ろへ倒す事(人の身体は大量の血を飲み込めないので、こうすると吐き気を催してしまいます)。
・鼻を押してしまうこと。
やるべきこと
・頭をやや前に向ける。子供の場合は、鼻血がタオルなどのような物の上に落ちるようにして、子供が自分の血を大量に見てビックリしないように、時々、タオルを折り曲げて違う表面にする。
・首の後ろの部分を冷やす(出血を抑えるのに効果的)。
この様にしても鼻血が10分未満に止まらない場合、お医者さんに連れて行く。
4・捻挫
やや大きくなり、スポーツなどを始めた子供たちが捻挫をしてしまった時に役に立つ情報です。
捻挫した場所を冷します。ただし子供の場合、氷やスプレーは使用しません。
プロのスポーツ選手の場合、氷やスプレー等を直ぐに使用するのですが、これはある程度痛みをとってくれる効果があり、スポーツ選手は直ぐにスポーツを続けることが出来るように使用するのです。
しかし子供の場合、痛みを直ぐに取ってしまうと、たいしたことが無かったんだと思い、直ぐに運動をし続けてしまい、かえって捻挫を悪化させてしまうのです。
5・てんかん発作
てんかん発作患者を、地面や床に横たわらせますが、その時の注意点として、その周りにおもちゃとか他の物があると、それでぶつけたりするので、周囲に何も無い状態の所を選んで、そこで横たわらせます。
そしててんかん発作が自然に終わるまで、そのままにしておきます。
その時、噛むようにとタオルのような物を口に入れたり、又はむやみに舌を出そうとさせたりしない事です。
6・火傷
・小さい火傷(患者のこぶし位の大きさまでの範囲の火傷)の場合、水道水を蛇口から、じかにかけて10分間冷し続けます。これは結構長い時間なので、水の冷たさで少し痛みを感じるくらいです。でも10分間キープするのはとても大切な事だそうです。もし2~3分しか水道水で冷さなかったら、肌の表面部分のみが冷されただけと言う可能性が残ります。その後、特別なクリームとか油などは一切塗りません。
・大きい火傷の場合、注意深く木綿の生地で火傷の部分を覆い(きれいに洗ってあるのならキッチンで使う木綿の布でもかまいません)、肌に覆い終わったら、コップに入れた水等を使って、その布を濡らして冷します。こうして火傷をした表面が乾いてしまわないように、常に湿らせておくのです。
ここで注意点ですが、木綿の布を肌に覆う前に予め水で濡らしてはいけない理由は、そうしてしまうと、布が重くなり、肌に触れた時にものすごく強烈な痛みを感じてしまう可能性があるのです。
7・熱湯などの液体による火傷
この場合も6と同じく、やはり水道水でじかに10分間冷します。
もし熱湯が洋服の上からかかって火傷した場合、その洋服は直ぐに脱がせます。上手く脱げない時は洋服を切り裂いてでも脱がせます。
その理由は、熱湯などがかかった洋服はいつまでも熱さを保ち、肌の組織を壊してしまい治らなくなってしまう恐れがあるからです。なので速やかに熱湯などが降りかかった洋服を取り除くのです。たとえ衣服が肌に密着してしまっていて、衣服を取り除く際、肌の一部が剥がされてしまったとしても、衣服を取り除く事が大切です。
8・クループ
生後6ヶ月目から6歳くらいまでの子供のみがかかってしまう可能性がある病気です。
ウィルスによって発病し、一番起きやすい時期は秋です。
症状は声が枯れ、時間が経つと、特に夜、ひどく咳き込み、息をするのが困難になります。
子供がよく息が出来ないと判断したら、直ぐに救急車を呼びましょう。
対策法はステロイドの薬です。
9・急性喉頭蓋炎(きゅうせいこうとうがいえん)
症状は8で述べた物とほぼ同じですが、違う点は(聞き間違えていなかったら)高熱が出て、声が枯れてから息がしづらくなるまでの時間が8よりもより早くなるそうです。
2歳から6歳までの幼児が特にかかりやすく、バクテリア(時々ウィルス)が原因だそうです。
喉頭蓋が腫れて、息がしづらくなってしまうので、とても重い急病なので、速やかにお医者さんに診てもらう必要があります。
10・心肺蘇生法
これは赤ちゃんの形をした人形を使って練習しました。説明は次の通りです。
2回息を吹き込み、30回胸を押し、2回息を吹き込む。。。と言うようにずっと続ける
でも1度だけ練習しただけなので、本当に私が緊急事態にしっかりと出来るかどうか不安です。
一応コースで習ったので、心肺蘇生法のリンクを張っておきます。私がコースで習ったのとほぼ同じ方法です。
以上がこのコースで習ったことのまとめです。
こんなに色々な緊急事態や事故が起きえると言う事を聞くのはショックでしたが、もし機会があるならこの様なコースに参加される事をお勧めします。
私の個人的感想ですが、よく起こりえる小さい切り傷や擦り傷、鼻血、ちょっとした火傷の場合の正しい対処法を教えてもらえたことが良かったなあと思います。
ドイツ語の語彙
傷 – Wunde
切り傷 – Schnittwunde
頭の打撲(頭蓋骨の中の脳が揺り動かされた時)- Gehirnerschütterung
頭の打撲(頭蓋骨の中の脳が揺り動かされた事により、脳が頭蓋骨にぶつかり炎症を起こした時) – Gehirnprellung
鼻血 – Nasenbluten
捻挫 – Prellung
てんかん発作 – epileptischer Anfall
火傷 – Verbrennung
熱湯などの液体での火傷 – Verbrühung